2028年のロサンゼルス五輪で追加競技として注目を集めるフラッグフットボール。その日本女子界において、歴史的な一歩を踏み出した選手がいます。日本人初の「プロフラッグフットボール選手」として活動する、近江佑璃夏(おうみ ゆりか)選手です。
今回、チームスピリットがスポンサーを務める「東京ヴェルディ フラッグフットボール」のCEO 山邉さんと共に、近江選手がシーズン報告のためチームスピリットのオフィスを訪れてくれました。
今シーズン、近江選手は日本代表として「ワールドゲームズ2025成都」で世界の強豪と接戦を演じ7位 、「フラッグ大陸選手権」では見事3位に輝きメダルを獲得。さらに国内では、所属する「東京ヴェルディ・ローゼス」の主力として「日本フラッグフットボール選手権」準優勝という成績を収めました。
日本人初のプロ選手として1年目を走り抜けた近江選手に、今シーズンの振り返りと2年半後の大舞台をどう見据えているのかお伺いしました!
日本人初の「プロ選手」として向き合った1年。覚悟がもたらした変化
今シーズン、本当にお疲れ様でした!日本人初のプロ選手として活動された2025-26シーズンでしたが、1年を振り返っていかがでしたか?
プロとして初めての1年を経験して、「フラッグフットボールだけに専念できる」という環境のありがたさを実感しました。
これまでは会社員として働きながら競技を続ける「二足のわらじ」でしたが、今は毎日トレーニングができますし、週末の練習も代表チームと所属のヴェルディの両方で、非常に安定した活動ができました。
専念できるようになったことで、どういった変化があったのでしょうか?
以前は仕事との両立で、どうしてもフィジカル的にもメンタル的にも疲れが溜まった状態で練習に行くことがありました。そうすると、どこか集中力に欠けてしまう部分がありました。でも今は、プロとして一つのスポーツに没頭できる環境を整えていただいたので、フラッグフットボールに完全にコミットでき、自分自身の成長を強く感じられた1年になりました。
競技に専念できる環境になったことで、具体的にトレーニング内容や「プレーの質」は変わりましたか?
ただ単にトレーニングする時間が増えただけでなく、「分析」の時間が圧倒的に増えました。昨シーズンの代表活動を通じて見えた課題に対し、「今、自分にはどのトレーニングが必要なのか」を深く考えられるようになりましたね。
練習や試合の動画を見返す時間をしっかり確保できるようになったことで、自分のプレーを細かく分析して、「次の練習ではここをこう変えよう」と具体的なプランを組み立ててからフィールドに立てる。このサイクルを回せるようになったことが、一番大きな変化ですね。
フラッグ界の「二刀流」として挑む、世界の壁
世界大会にも出場されましたが、強豪国と戦う中で感じた「世界の壁」や課題はありましたか?
今、一番の課題として取り組んでいるのは「体力」ですね。日本代表でもヴェルディでも、私はオフェンスとディフェンスの両方で出場させていただいているのですが、1試合を100%やりきる「体力」が足りていないので、そこが課題です。
オフェンスとディフェンスの両方ですか!それは、野球の大谷選手のような「二刀流」ということですよね?
そうですね(笑)。
もともとはオフェンスの選手として評価していただいていたのですが、最近はディフェンスも任せてもらえるようになりました。どちらのポジションもプレーするのは本当に楽しいのですが、1試合(前半後半20分ハーフ)を通して100%の力でプレーし続けるには、今の自分はまだ体力も集中力も足りていないと感じています。
そのため、2月頃からは、平日にスプリント(走り込み)のメニューを重点的に取り入れています。最後までスピードを落とさず、アグレッシブに動き続けるための土台作りに取り組んでいます。
次のシーズンに向けて、特に強化したい点や、アップデートしたい点はありますか?
昨シーズンの経験で、自分の最後の最後で一歩が足りず、負けてしまったという悔しい場面がありました。
ベンチに入れるのは12名ですが、フィールドに立てるのは5名です。試合に出られない仲間の想いも背負ってフィールドに立っているので、最後の一歩を妥協することはできません。最後まで自分のベストを出し切れる選手になりたいと強く思っています。
2026年3月29日に開催された日本選手権 女子チームは準優勝した
五輪まであと2年半となりました。チームスピリットの社員、ファンに向けてメッセージをぜひお願いします。
2年半は長いようで、きっとあっという間に来てしまうと思います。まずは、今年8月に開催される世界選手権で上位2枠に入り、しっかりと結果を残すことが直近の目標です。そしてその先にある2028年のオリンピックでは、仲間と共に金メダルを獲得したいです。
昨シーズン、海外でトレーニングを行えたり遠征できたりしたのは、皆さんのご支援があってこそです。本当にありがとうございました。ぜひ、引き続き皆さんの応援をお願いします!
最後に、近江選手の「ここを見てほしい!」というポイントがあれば教えてください!
私の強みは「スピード」と「キャッチ」です。オフェンスならロングパスを受けて一気にタッチダウンまで持っていくプレー、ディフェンスでは相手のボールを奪い取る花形の「インターセプト」にぜひ注目して見ていただければと思います。
ありがとうございます。プロとして道を切り拓く近江選手の挑戦、これからも応援しています!