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サンフランシスコ研修レポート!TeamSpirit Award受賞者と行く、SalesforceとOracle最新AIビジネスの旅

サンフランシスコ研修レポート!TeamSpirit Award受賞者と行く、SalesforceとOracle最新AIビジネスの旅

生成AIが企業の在り方を大きく変えようとしている今、その最前線に触れて何を感じ、得たものとは―

皆さん、はじめまして。

株式会社チームスピリットでAI関連の新規事業開発を担当している渡邊と申します。IT業界に身を投じてから、はや20数年。そのキャリアの中で、現在大きな社会課題となっている「働く」に関するビジネスに携わりたいという思いから、2025年2月にチームスピリットにジョインしました。

渡邊 友仁}

渡邊 友仁

エンタープライズ事業統括本部 エンタープライズプロダクトマーケティングユニット

IT業界で20年以上のビジネス経験を持ち、富士通やLINEでIoTやAI-SaaSの事業開発にも携わった後、2025年2月にTeamSpiritへ入社。現在はAI事業の戦略策定とプロダクト開発をリードし、人事労務領域の新しい価値創造に挑戦中。

さて、今回私は「TeamSpirit Award」受賞者の皆さんと、アメリカ・サンフランシスコへ研修に行く機会を得ました。TeamSpirit Awardは年1回、活躍した優秀社員を称える賞のことで、受賞者はサンフランシスコに本社を置くSalesforce社への訪問を中心とした海外研修が副賞として贈られます。

今回、TeamSpirit Awardの受賞者とは別に、私を含めた3名が「AIビジネス開発のための研修」として参加させていたたきました。

2泊4日の弾丸海外研修で得た、現地の熱気と学びを、しっかりとレポートさせていただきます!

Salesforce本社前で

DAY1:Salesforce TowerでTeamSpiritのプロダクトの将来を想像する

約8時間のフライトを経て、私たちは無事にサンフランシスコ国際空港に到着。
日本との時差ボケも感じる間もなく、最初の目的地である、ダウンタウンにそびえ立つSalesforce Towerへと向かいます。移動手段はもちろんUberです。

この日は珍しく快晴で、カリフォルニアの日差しが心地よく降り注ぎます。乗せてくれたドライバーさんはキルギス出身の気さくな方で、「なぜサンフランシスコでUberのドライバーをされているんですか?」と尋ねると、「アメリカではかなり稼げるからさ!」と笑顔で即答(笑)。フランクなコミュニケーションに、早くもサンフランシスコの活気を感じます。

Salesforce Towerに到着すると、アテンドしてくださる社員の方々が温かく出迎えてくれました。

まず案内されたのは、息をのむほど眺めの良い社内カフェ。ここではアメリカらしく美味しいハンバーガーで、まずは腹ごしらえをしました。

その後、いよいよ本題へ。

Salesforceの主力製品である「Agentforce」の概要や今後のロードマップについて、じっくりとレクチャーを受けました。これは単なる製品説明に留まらず、「Salesforceがどのような世界を目指しているのか」、その情熱が強く伝わってくる内容でした。

私たちがサンフランシスコを訪れる2週間程前には、Salesforce社主催の「Dreamforce 2025」が大々的に開催されたばかりだったこともあり、この日のセッションでは彼らが描く未来の取り組みについて、具体的にお話しいただけました。
TeamSpiritとしても、これからのプロダクト開発の軸として、「AIドリブン」と言うキーワードは必要不可欠であり、大変参考になる内容ばかりでした。

その貴重な内容を少しだけですが、ここでご紹介します。

●アプリケーション開発基盤「Agentforce 360 Platform」について
まず、私たちチームスピリットからは、SalesforceのAI技術「Einstein」をベースに構築したユーザーサポートの実業務でのデモンストレーションを披露しました。Salesforceの方々にも「まさに私たちが目指している内容です!」と大変好評をいただきました。

「Einstein」をベースに構築したユーザーサポートのデモンストレーションを披露する礒野さん(左から4番目)

さて、本編は開発者向けのアプリケーション開発基盤である「Agentforce 360 Platform」に関するご説明からスタートしました。
このセッションの概要です。

●Agentforce 360 Platformは、あらゆる顧客・従業員体験にAIエージェントを提供する、包括的なエンタープライズソリューションである。  

●Atlas推論エンジンによるハイブリッド推論、MCP・A2A連携、そして新しいAgentforce Builderを通じて、本番環境スケールでのエージェント開発を実現する。200以上の業界特化型エージェントとアクションを提供し、金融、医療、製造、公共セクターなど幅広い分野をカバーしていく。

●Salesforce社自身が、年間1億ドルのコスト削減と6,000万ドルのパイプライン創出を達成している。

●Agentic AI(エージェント型AI)は、従来の固定的なソフトウェアから、マルチモーダルな対話、柔軟な推論、構造化・非構造化データの統合処理へとパラダイムシフトをもたらし、これにより2029年までにFortune 1000企業の40%の業務がAIファーストになると予測。


特に印象的だったのは、Salesforce社自身が、この技術を68,000人の従業員の利用で安定動作を実証するなど、自社利用でのトライ&エラーを実直に進めている点です。これは一般顧客としても非常に安心ですね。

Salesforceが考えるAIの未来像「Agentic Enterprise」とは?

続く次のセッションは「The Future of the Agentic Enterprise」と題し、Salesforceが考えるAIの未来像、特に生成AIがこれからのビジネスをどう変えていくのかについてお話いただきました。まさに未来をリアルに体感する、とても刺激的な時間となりました。

ここで、セッション中に何度も登場した重要なキーワード「Agentic Enterprise」をご紹介させてください。

SalesforceはこのAgentic Enterpriseを以下のように定義しています。
“「Agentic Enterprise」とは、人間の従業員とAIエージェントが、シームレスに連携して働く協働型エコシステムを備えたビジネスのこと」”

言い換えるならば、

「AIエージェントと人間が協働することで進化した企業の形態」

と理解すると分かりやすいでしょう。
ここでいうエンタープライズは、単に「会社」を指すのではなく、「企業という仕組み全体」を表していることがポイントですね。お話しいただいた内容は以下の通りです。

●Agentic AIがもたらすパラダイムシフト  
・2029年までにFortune 1000企業の40%の業務がAIファーストになると予測される中、従来の固定的なワークフローから、学習・推論するシステムへと進化。

・Salesforce Futuresチームは、シナリオプランニング手法により複数の未来シナリオを描き、リーダーが適応的課題に対処できるよう支援。

・LLM(大規模言語モデル)の能力向上だけでなく、コンテキストエンジニアリング、オーケストレーション、マルチエージェント連携などのAgentic Layer全体の成熟が、実用的なAI性能を劇的に向上させる。

●Agentic Maturity Model(エージェント成熟度モデル)による段階的進化  
・組織の成熟度は、Level 0(固定ルール・反復タスク)からLevel 4(複数ドメイン間での複雑なマルチエージェントオーケストレーション)まで、5段階で評価される。

・現在多くの企業は、Level 1(チャットボット・コパイロット)からLevel 2(サイロ化環境での自律的タスク実行)への移行期にあり、統合データ活用とエージェント間連携が次のステップとなる。

●Autonomic Core(自律的コア)と人間の役割再定義  
・真のAgentic Enterpriseでは、業務が「エージェント単独で実行する自律的コア」と「人間とエージェントが協働する層」に分離。

・人間は曖昧性のナビゲート、価値判断、意味形成といった活動に集中し、エージェントはパターン発見、システム調整、最適化を担当。

・どの業務を自律化し、どこで人間にエスカレートするかの境界設定が、企業・ブランドの差別化要因となり、継続的な学習ループの構築が組織進化の鍵となる。


特に、TeamSpiritが次に踏み出すべき方向性を考えるうえで、データ統合・推論・オーケストレーションの3層構造は確実に押さえるべき視点だと強く感じました。

ここまで読んでいただいた皆さま、いかがでしたでしょうか?
Salesforce社がこれから向かおうとしている未来、世界観について、少しでもイメージを膨らませていただければ幸いです。
今回のセッションは、チームスピリットのこれからのプロダクト開発、特にAIを活用した新しい価値創造について、多くのヒントをいただいた、非常に実のあるものでした。今後も、ぜひこのような意見交換を継続的に行っていきたいですね。

ミーティングルームの外には、ウォーキングをしながら働く人も…

Salesforce社でのセッションを終え、興奮冷めやらぬままホテルへチェックイン。宿泊先はフィッシャーマンズワーフに位置する「Hotel Zephyr」です。部屋に入ると、なぜかベッドが2つあり、隣の部屋と繋がるドアまでありました(もちろん鍵はかかります(笑)。)

夜は、我らがCEO、道下さんが予約してくださったイタリアンレストラン「North Beach Restaurant」で素敵なディナーを楽しみました。ホテルから歩いて行ける距離でしたが、途中の坂道が「これぞサンフランシスコ!」というほどの急勾配で、良い運動になりました。

お店の雰囲気も最高で、美味しい料理とワインを囲みながら、普段はなかなか話す機会のない他部署のメンバーともじっくり語り合いました。仕事の話からプライベートな話まで、話題は尽きません。最後は美味しいデザートで締めくくり、素晴らしいサンフランシスコの夜となりました。

完璧なアテンドをしてくださった道下さんのホスピタリティには、ただただリスペクトしかありません!

イタリアンレストラン「North Beach Restaurant」の前で

DAY2:Oracleに学ぶデータビジネスの真骨頂

研修2日目の朝。この日はOracle社への訪問を控え、まずは腹ごしらえから!ということで、フィッシャーマンズワーフの有名店「Boudin Bakery Cafe」に集合し、名物のクラムチャウダーをいただきました。

サワードウブレッド(酸味のあるパン)をくり抜いた器に、熱々のクラムチャウダーがたっぷり入っています。これが本当においしくて、冷えた体に染み渡りました。ただ、お値段は1つ15ドル(約2,300円)と、なかなかのもの。美味しい朝食を楽しみつつも、円安と現地の物価高を肌で感じる瞬間でした。

Boudin Bakery Cafeの名物、クラムチャウダー

お腹を満たした後は、サンフランシスコ市内から車で40分ほど移動し、RedwoodにあるOracle Redwood Campusへ。

かつての本社屋というだけあり、緑豊かで広大なキャンパスは、大学のような雰囲気です。
ここでは、データベースとAI戦略に関するセッションに参加しました。前日のSalesforceとはまた違った、データ中心のアプローチは非常に興味深く、AIビジネスの奥深さと多角的な視点を持つことの重要性を改めて感じさせてくれました。

そのセッションで得られた知見を、いくつかご紹介します。

Session1:Autonomous Database - GenAIとMLの最新情報

Oracleの主要なビジネスは、言わずもがなデータベースです。しかし、昨今のAIビジネスの盛況により、彼らのビジネス領域はデータベースだけでなく、クラウドやAIへと大きく拡大し続けていることを実感しました。

最初のセッションは、「Autonomous Database - GenAIとMLの最新情報」と題してご説明いただきました。

このセッションで強調された、Autonomous Database(ADB)の革新的な機能とメリットをまとめました。

● 誰でも使える「話しかけるデータベース」  
・「今月の売上トップ10を教えて」といった自然な言葉で質問するだけで、データベースが自動的にデータを探して答えてくれる機能を搭載。

・専門的なプログラミング知識がなくても、ビジネス担当者が自分でデータ分析やレポート作成を行えるようになり、IT部門への依頼待ち時間を大幅に削減。AIアシスタントが24時間365日、データに関する質問に即座に対応。

●安心・安全なAI活用の仕組み  
・個人情報や機密データを扱う際も、誰が何のデータを見られるかをデータベース側で厳密に管理。

・AIが勝手に見てはいけない情報にアクセスすることを防ぎ、コスト管理や利用状況の監視機能も標準装備。これにより医療、金融など規制の厳しい業界でも安心してAIを活用でき、すべての操作履歴が記録されるため監査にも対応可能。

●複数のクラウドやシステムをまたいだデータ活用  
・自社のオンプレミスサーバー、Azure、Amazon、Snowflakeなど、バラバラに保管されているデータを移動させることなく、一箇所から横断的に検索・分析が可能。

・さらに、30種類以上の機械学習アルゴリズムが最初から使える状態で用意されており、データサイエンティストでなくても、予測分析や異常検知などの高度な分析をすぐに始められる。


このセッションを通じて、Oracle ABDは「誰でも自然言語でデータベースと対話することができ、安全にAIを活用できるプラットフォーム」であるというメッセージをお話しいただきました。

TeamSpiritのAIプロダクトにおいても、勤怠・工数・経費・人事情報のような機微データを、どう安全に扱いながらAIに活用させるかという視点は避けて通れません。Oracleの思想はその大きなヒントになりますね。

続いてのセッションは、よりAIに特化した内容です。

Session2:世界最速のAIベクトル検索を備え、どこでも安全に使えるOracle Database 23ai

次のセッションで紹介いただいたOracle AIの強みを以下まとめました。

●圧倒的に速いAI検索エンジン  
・膨大な情報の中から「この画像に似た商品を探して」「この文章に関連する資料を見つけて」といったAI検索を、競合製品の最大10倍の速さで実行。

・データ量が増えても自動的に処理能力を拡張でき、世界中に分散したデータベース間でも高速検索が可能。さらに、メモリに入りきらない大量データでも最大30倍高速に処理できる独自技術を搭載。

● 企業の機密情報を外部に出さない安全設計  
・医療記録、顧客情報、企業秘密など、外部のAIサービスに送信できない重要データも、自社の管理下(オンプレミスやプライベートクラウド)で安全にAI活用が可能。

・最新のAIモデルをワンクリックで自社環境に導入でき、データが社外に流出する心配がない。誰がどのデータを見られるかを細かく制御し、AIが勝手に機密情報にアクセスすることを完全に防ぐ。

● どこでも使える、開発者に優しいAI環境  
Oracle、Azure、Google、Amazon、オンプレミスなど、どの環境でも追加料金なしで同じAI機能が使える。

・シンプルなSQL(データベース言語)だけでAI検索や機械学習が実装でき、OpenAI、Google、Meta、HuggingFaceなど主要なAIサービスとも簡単に連携。既存のシステムやデータを移動させることなく、今すぐAI機能を追加できる柔軟性を持つ。

OracleのAIの性能の高さ、堅牢なセキュリティ、そして開発者向けには嬉しいさまざまな外部ツールとの連携機能を搭載していることは非常に大きな強みです。

私たちのビジネスにおいて、データベース設計は非常に重要な要素であり、AIビジネスにおいてはなおさらです。 TeamSpiritが構築すべき「データアーキテクチャ」はどうあるべきかというイメージが、より具体化したと感じました。

AIビジネス枠のメンバー一同も、Oracleのサービス開発や機能拡張の思想に、大いに刺激を受けたセッションとなりました。

セッション終了後のランチは、Oracle社の社員食堂でいただきました。

私はピザとサイドサラダを頼んだのですが、そのボリュームに度肝を抜かれました!ピザ1ピースが日本のハーフサイズくらいあり、サイドサラダに至っては日本のLサイズを軽く超える大きさ。まさにアメリカンサイズです!味はもちろんおいしかったのですが、お腹がパッツパツになりました(笑)。

最終日とまとめ:チームスピリットのプロダクト進化へ

あっという間に帰国の日を迎えました。フライトは午後だったため、午前中は自由時間です。

私とAI開発枠の同僚は、迷わず完全自動運転タクシー「Waymo」の体験へ!

「あの有名なクネクネ道、ロンバード・ストリートをWaymoで下れるか?」という壮大なミッションに挑戦しましたが、結果は…残念ながら、安全上の理由で走行不可。それでも、自動運転技術がここまで実用化されていることに感動すると同時に、社会に実装される上での課題も垣間見ることができ、非常に有意義な体験となりました。

今回の海外研修は、私にとって忘れられない刺激と学びに満ちた3日間となりました。
SalesforceやOracleといったAIビジネスの最前線に触れたことはもちろんですが、何よりも、ルーキーからベテランまで、さまざまな分野で活躍する素晴らしい仲間たちと部門や役職を超えて深く交流できたことが、一番の財産です。

TeamSpirit Awardが、道下さんが常々言われるように、「もらって嬉しいアワード」「最新技術に触れる機会」「部門を超えた交流の場」であることを、私自身、身をもって実感することができました。

最後に、今回の海外研修で実際に時代の先端を行くSalesforceとOracleの2社とお話しさせていただく機会を得たことで、これからのチームスピリットが目指すべきプロダクト開発のビジョンが、具体的に見えてきました。

この得られた知見を基に、AIを軸とした新規事業開発を推進していきます。

引き続き、チームスピリットの進化にぜひご期待ください!

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