
お客さまの喜びが原動力!中小企業に寄り添う信頼と提案力
私たちは VISION に「個を強く、チームを強く。」を掲げています。 一人ひとりが 一等星のようにキラリと光る魅力を持ち、チームスピリットの成長を牽引しています。 そんなチームスピリットを支えるお仕事人とお仕事ぶりをご紹介していきます。
近年、多くの企業が業務の効率化や人的資本の可視化に取り組む中、エンタープライズ企業の複雑で多層的なニーズに応えるには、SaaSベンダー側にも高度な知見と対応力が求められます。
今回は、チームスピリットのエンタープライズビジネスをけん引する原CPOと若宮CROに、スモール・ミッドマーケットとは異なる戦略や顧客との向き合い方、求める人材像についてお話を伺いました。
取締役 常務執行役員CPO エンタープライズ事業統括本部 本部長
執行役員CRO エンタープライズ事業統括本部 副本部長
まず、そもそもとなりますが当社における「エンタープライズ」の定義について教えていただけるでしょうか。
私たちがエンタープライズと定義しているのは、基本的に従業員数1,000名以上の企業です。営業戦略上は、さらに踏み込んで5,000名以上の企業を主なターゲットとしています。業種によっては、1万人を超える規模の企業とも向き合っていきます。
ただし、1,000~3,000名規模の企業になると、スモール・ミッドマーケット側とのターゲット重複も発生します。ここは連携や相談が必要なゾーンですね。
また、私たちが注力しているのは「単体企業」だけではありません。グループ企業を横断してシステム運用を行うような企業群も、非常に重要なターゲットになってきます。
企業規模だけではなく、構造にも着目しているんですね。
そうです。
エンタープライズ企業ですと多角経営をしているところが多く、製造業や小売業を中核に、金融・流通・サービスなどが複合的に含まれているケースは珍しくありません。「TeamSpirit Enterprise」を導入する一つのプロジェクトで、非常に多種多様な職種に対するニーズが混在しているのです。
スモール・ミッドマーケットと比較して、エンタープライズ市場ならではの攻略の違いはどのあたりにあるのでしょうか?
まず大きく違ってくるのが、商談をどう作るか、どうナーチャリングするのかという入り口部分です。スモール・ミッドマーケットでは今すぐ検討しているリードを獲得していく点に注力しているのに対して、エンタープライズではアライアンス活動を通じての商流づくりや、中長期を見据えてのマーケティング戦略など、商談を作っていく動きそのものが異なってきます。
勤怠という領域のエンタープライズビジネスにおいては、人事システムの刷新という大規模なプロジェクトになるケースが多く、短期間で意思決定するというよりお客さまの人事システム全体像(パートナーさまと連携し一緒にソリューションを提案)を描きつつ進めるため、商談のタイムラインは1~2年かかるのが一般的です。そのため、私たちの営業活動は商談の初期フェーズから地道に種まきして関係構築していき、全体像を描くためにパートナーさまと一緒に提案活動していく必要も出てきます。
実際、勤怠システム単体で検討されるのは私たちが持っている案件の全体の3割程度で、残りの7割はHCM(人的資本管理)システム全体の中の一部として検討されます。ですから、当社だけで提案して終わりというよりも、大きなITプロジェクトの一部としてパートナーさまとの連携や複数ステークホルダーとの調整が求められます。
そうすると、要件やニーズにもかなりの違いが出てきますね。
そうです。中堅企業では「紙やExcelからの脱却」といったシステム化(これはもうだいぶ進んでると思いますが)やシステム化することによる、法令遵守・業務効率化が主目的ですが、エンタープライズ企業ではそもそも既存でスクラッチ開発された法令遵守よりも進んだ(例:従業員有利な手当が複数あったり)システム・制度が導入されている場合も多く、この部分を制度を無理に変えずにどうやってシステム運用するかがポイントになります。
しかも、私の経験で一番多かったところでは就業規則が1万パターンあったり、出向・兼務が頻繁にあったりと、企業内部の最適化ロジックが非常に複雑なんです。これらを崩さずに新システムに移すには、相当な技術力と信頼が必要ですし、そもそも変えるだけのメリットが必要になります。
先程、大規模組織にシステムを導入することのハードルの高さを伺いましたが、その中でもエンタープライズ市場で「TeamSpirit Enterprise」が選ばれる決め手は、どのような点になるのでしょうか?
一言で言えば「営業活動を通じてお客さまからの信頼」を勝ち取ることですね。
エンタープライズのお客さまにとって勤怠システムを検討/刷新することは、短くても5年に一度、長いと10~20年に一度の大きなプロジェクトになります。
お客さまの人事部門内でも初めて検討や刷新に関わる方も多く、「全従業員が使う」「会社全体の人事制度の刷新にも関わる」プロジェクトとして、非常に重みがあります。
さらに、システムを決めてからカットオーバーまでの期間も、一般的に1年から2年と長期戦のITプロジェクトです。
よって、私たちの営業活動は、競合他社よりも当社を選んでいただく理由をさまざまな観点で作りだし、それぞれの項目で信頼を勝ち取らないといけません。
営業対応レベルの品質の高さはもちろんのこと、求められる機能要件や非機能要件への丁寧な対応、長期にわたる導入支援の品質やパートナーさまとの導入体制、そしてカットオーバー後の運用支援の伴走サービスまで、すべての項目において高いレベルで提供できることを提案し、「チームスピリットなら任せても大丈夫だ」という会社としての信頼を営業活動を通じて築いていく必要があります。
だからこそ、どこか一つが尖っているだけでは選ばれないと思っています。
開発目線で言うと、Salesforceという基盤の堅牢性と、我々の提供する機能の柔軟性のバランスが「信頼」に必要な要素ですね。先ほど言ったように、さまざまな就業規則などを吸収できる器と、きちんと運用しきれる仕組みがあるかどうかが問われます。
他社がカバーしきれない高度な機能要件を押さえることで、比較検討の中で優位に立つこともあります。けれど、それもSaaSで提供できるという前提があるからこそ成立する話です。
SIerだったらお金をかけて開発すればお客さまの思い通りのシステムができちゃいますもんね。
そうそう。SaaSでエンタープライズ領域に挑むということ自体がまだ珍しい中で、我々はその「土俵」に立てる数少ないプレイヤーなんですよ。
ちなみに、先ほど「どこか一つが尖っているだけでは選ばれない」という話がありましたが、営業的にどこかを尖らせようとしたら、どこがいいですか?
やはりお客さまにとって魅力あるTeamSpiritならではの要素(AI含め)を、SaaSとしての標準機能で提供できるように尖らせ続けていけるのが理想だと思っています。
非機能要件は会社のセキュリティポリシーやサービスレベル、インフラの品質なので、人の育成や会社の投資でレベルを上げられるところもありますが、その点で尖らせることは難しいと思っています。
機能要件は満たせないとそもそも土俵に立てない一方、TeamSpiritならではの機能要件を作ることができればそれを当社の強み、または魅力に感じてもらえるところを尖らせていけると良いのではないかと思っています。
営業活動において、重視している点はどのようなところでしょうか。
エンタープライズのお客さまは、すでに何かしらの勤怠システムを導入しています。ですので1度、2度の点のコンタクトで「良いシステムだからぜひ使ってください」と提案しても、すぐに検討に入っていただけるわけではない。私たちの勤怠という領域は「この部門でとりあえず試してみよう」(PoC)などというようなステップがないためです。
「なぜ変えなければいけないのか」という理由(骨子)づくりから始まり、お客さまの中で全社システムの検討プロジェクトとして作っていただくことが必要です。
そのためには、課題や将来の理想の幅を広げること、複数部門とのリレーションを社内外で探り横にコンタクトの幅を広げたり、定期的にコンタクトができる魅力あるイベントを企画して少しずつ当社のことを知っていっていただいたりなど、パートナー企業と連携し当社だけではできない打ち手を増やすなどといった、いわば“提案前”の営業活動が非常に重要ですし、かなり力を入れています。
お客さまとの関係構築にかなりの時間と工数がかかりそうですね。
はい。でもその積み重ねがないと、「提案」という土俵にも立てません。そして、エンタープライズの大きな商談は、営業一人、もしくは営業チームだけでは勝負できません。
アライアンス、プリセールス、導入、サポート、開発チームはもちろん、案件に応じて法務、財務、経営企画なども巻き込んでお客さまに向き合います。
提案の場には、原さんやCCSOの橋本さんなど、各部門の責任者の方に同席いただくこともありますし、最善の方法をチームで議論し、営業がその全体シナリオをとりまとめてフロントに立っているイメージですね。
まさに全社で獲得しにいく感じですね。
その通りです。
検討が本格的に開始するまで1〜2年がかりの商談もありますから、一度提案が始まったら「全員で絶対に勝ち取るんだ」という強い気持ちで取り組んでいます。そのためには、社内のステークホルダー全員と一枚岩になる必要がある。だからこそ、エンタープライズ営業は“地道な積み重ね”の先にある成果だと感じています。
勤怠というプロダクトの特性上、相手の業務や制度をしっかり理解していないと刺さらないんですよね。
私自身も、お客さまと初めてお話しするときは少し緊張します。お客さま特有の用語もありますし、そんな中で、「自分たちの業務を理解してくれている」と感じていただけるかどうかが、最初の関門だと思います。
あと、「わからないことはちゃんと質問する」姿勢も大切です。誠実に理解しようとする姿勢が、「この人たちなら信頼できる」と感じていただくきっかけになると思っています。
そうですね。提案前からどれだけ相手と対話を重ねてきたかが、成否を分ける。
「このチームなら、任せて大丈夫」と思っていただける関係を、最初から構築していくことが本当に重要だと感じています。
今後のエンタープライズ事業において、注力されている業界や戦略について教えてください。
まずは製造業で創出してきたエンタープライズの実績をさらに盤石にするために、これからも製造業のお客さまに注力しくことが前提にあります。こちらは従来のパートナーさまとさらに協業を深めて注力していきます。
そのうえで、次の注力領域として考えているのが、小売/サービス分野と公共分野です。
まずこれらを推進するために、今期の途中から事業戦略室を営業組織と開発組織の間にバーチャル的に作って責任者を置き、常に業種特化の議論ができるメンバーを集めた組織を作っています。
小売/サービス業界では、製造業とは勤怠管理に求められる機能要件が大きく異なります。その点については、常に事業戦略室を通じて業種に特化した機能面での強化も推進し始めています。販路開拓という意味でも、新しいパートナーさまを通じて一緒に営業活動を開始し、少しずつ成果が出てきています。
また公共分野は、入札制度や次年度の予算確保や提案時の注意事項など、民間企業とは異なる営業活動、提案プロセスがあるので、私たちとしても商談の組み立て方を変える必要があります。今期から営業現場では先に同プラットフォームで多くの実績をあげているセールスフォース・ジャパンの公共営業チームにも全面協力いただいて、私たちの営業チームと一緒に推進していただいている状況です。こちらも今期で少しずつ実績も出てきているので、来期以降でさらなる成果につながっていく感触は出てきています。
いずれにしても、戦略的に決めた業種に特化する機能強化とアライアンス営業戦略という2軸に注力し、新しい業種/業界のエンタープライズ顧客を開拓していくイメージです。
プロダクト戦略としても、勤怠管理を主軸にしながら、それに付随するアップセルやクロスセルの機能を拡張する方向に動いています。エンタープライズのお客さまでは、ERPのように一括導入されるケースは少なく、部門ごとに分散された意思決定が多い。そのため、1つひとつの領域に向けた丁寧な提案が必要だと感じています。
領域ごとに最適解を提案し、段階的に信頼を築いていく戦略ですね。
そうですね。そして最終的には、それぞれの領域をつないでいく。たとえば「工数管理」は、単なる機能ではなく、業務改善の“サービス”として提案し、業務プロセス全体の最適化の実現に貢献していきたいと考えています。
エンタープライズにおいては、単にプロダクトを提供するだけではなく、お客さまの業務そのものにどう価値を提供できるかが重要です。だからこそ、「業務改善サービス」という視点がこれからもっと求められていくと思っています。
最後に、エンタープライズビジネスをこれから一緒に盛り上げていく仲間について、どのような人材を求めていますか?
このエンタープライズセールスという仕事は「一人でどんどん進めて、一人で勝ちたい」タイプの方には向いていないと思っています。
営業が単独で完結するような仕事ではないので、社内外の関係者としっかり連携し、チームで一つの大きなビジネスをつくっていける人が必要です。いわば“TeamSpirit(チームスピリット)”が体現できる人ですね。
私たちが向き合っているお客さまの業務は複雑で、しかもそれが人に関わる領域です。だからこそ、「このお客さまのために本当に役に立ちたい」と思える純粋な志向性が必要です。
開発の視点で言えば、面倒くさがりでも、その“面倒”を解決したくなる人──そんな人が向いていると思います。
それから、会社としてもまだこれからエンタープライズ事業を本格成長させていくフェーズなので、“事業を立ち上げていく”マインドやリーダーシップを持っている方に来ていただきたいです。経験よりも、「チャレンジをしたい」という意欲のほうが大切ですね。
そうですね。社内外の関係者と連携しながらも、自分が主体となって課題を見つけて解決していくスタンスが求められます。ときには常識を疑って、逆説的に考えられるような柔軟さも重要ですね。
私と若宮さんなんて考え方やアプローチが相違することもあるけれど、一緒に働いて楽しいですもんね(笑)。目指すべきゴールは一緒なので、異なる価値観や考え方を持つメンバーがいても、それによって選択肢が増え、柔軟に動けるようになる。開発とビジネス側では見ている視点は違っても、「顧客に価値を届けたい」という想いでは一致しているので、建設的な議論ができます。
それでいうと、私のキャリアの中で導入などを支援するエンジニアの方と仕事した経験はありますが、自社プロダクトを開発している方と一緒に仕事してきたことはほぼないんですよ。
今のこのチームスピリットの規模感とフェーズで、原さんをはじめとする開発の方々と一緒に動いてみて、立ち位置や見ている視点がまったく違うんだなということを改めて実感しています。ですが、お客さまの前では「それすぐにやろう」といった同じマインドになるので(笑)、そういう瞬間が面白いなと思いますね。
少し話逸れるかもしれませんが、最近嬉しい話があったんですよ。うちのエンジニアの一人が、AIを組み込んだ機能を勝手に開発してきて見てくれと連絡してきたんです。基本的に、開発は私が策定したロードマップに沿って業務をしているんですが、それもこなしながら自分がやりたいことを自主的に開発して持ってきたんですよね。すごく嬉しかったですね。
重要なのは、「やろうと思えばできる」という環境があるだけでなく、それを応援する文化があるということ。だからこそ、チャレンジしたいという人にとっては、最高に面白い環境だと思いますね。
原さん、若宮さん、ありがとうございました!
チームスピリットでは、一緒にチャレンジする仲間を募集しています!
私たちは VISION に「個を強く、チームを強く。」を掲げています。 一人ひとりが 一等星のようにキラリと光る魅力を持ち、チームスピリットの成長を牽引しています。 そんなチームスピリットを支えるお仕事人とお仕事ぶりをご紹介していきます。
チームスピリットでは、営業職に就くメンバーが早期に自走し活躍するために、独自のオンボーディングプログラムを用意しています。
クラウド型SaaSの勤怠管理ソリューション「TeamSpirit」は、2012年4月に提供開始されました。そこから現在に至るまで、TeamSpiritはさまざまな機能開発や法令改正に合わせたアップデートをしつづけ、常に進化しています。