
2025年度に向けた全社戦略ミーティング「All TeamSpirit 」レポート
チームスピリットの事業年度は9月から始まります。 2024年度が間もなく終了し、新たに始まる2025年度に向けて、全社ミーティング「All TeamSpirit」が7月23日に開催されました。
「All TeamSpirit」は、私たちチームスピリットが、よりお客さまや市場に支持される未来を実現すべく、経営層と社員の間でチームスピリットの今後の戦略や変化の方向性をシェアし、相互理解と共感を深めるために開催されています。
2025年4月23日には、第2回目となる「All TeamSpirit」が開催され、約190名の社員が一堂に会しました。全社員を前にして、各セクションの責任者から熱のこもったプレゼンテーションが展開され、チームスピリットの“今”と“これから”について理解を深め合うイベントとなりました。
All TeamSpiritは、代表取締役CEO道下さんのプレゼンテーションから始まりました。
「社会課題に向き合う企業でありたい」という強い想いのもと、まず触れられたのは、日本が直面する最大の社会課題、労働力不足です。2040年までに生産年齢人口が約1,100万人減少するという現実に対し、「人的資本の生産性向上」と「AIの代替労働力としての活用」を両輪とした解決アプローチを打ち出しました。個人からチーム、そして「“人間とAIのチーム”の生産性向上」という新たな視点に踏み込みました。
次に、Go-Toマーケット戦略とプロダクト戦略を軸としたビジネス戦略が明確に提示され、エンタープライズとスモール・ミッド、それぞれの市場に対する独自のアプローチが説明されました。特に、1万人以上の従業員を抱える企業への対応や、法制度対応への強み、Salesforceとの連携など、競争優位性を裏打ちする具体的な取り組みが語られました。
その戦略を力強く推進するために、大きな組織体制の変革についても言及があり、4月からスタートした市場や顧客、事業フェーズにフィットした新体制の狙いと意味が共有されました。従来の機能別組織から脱却し、より戦略実行に直結する構造へと変化するその過程を、「セルフトランスフォーメーション」と呼び、進化する企業文化が強調されました。
この組織で達成すべき中期計画に向けて各本部に期待される役割や数値目標が明確に示され、全社的な目線の統一が図られたことも大きなポイントです。
そして、最後に「企業理念やビジョンの表現を、より社員や社会に響くものに再構築したい」と語り、今後は社員の声も反映しながら、チームスピリットらしい言語化を目指していくことを宣言。道下さんからの力強いメッセージに、社員の表情も真剣な眼差しで応えていました。
続いて登壇したのは、エンタープライズ統括事業本部を率いる常務執行役員CPO原さん。
従業員1,000人以上の大規模企業を対象とした戦略が、どのような方向へ進化しているのか。その核心が語られました。掲げられた目標を達するためには、着実な成長と組織のスケールが欠かせません。こうした背景から、4月に実施された組織改編についても「現状改善」だけでなく「将来の最適化」に向けた布石であることが強調されました。
特にエンタープライズ市場の特徴として挙げられたのが、「企業数は少ないが従業員数は多い」という構造。全体の企業数のわずか0.2%ながら、従業員数は900万人を超えるという巨大市場です。しかしその一方で、業種の偏りや、スクラッチ開発・旧パッケージからの移行など特有のハードルも存在します。
こうした課題に対し、TeamSpirit Enterpriseは「ハイエンド勤怠SaaS」としての差別化を進めています。高度な拡張性と柔軟性、直感的なUI/UX、管理業務のオペレーション削減など、現場で真に役立つプロダクトとして進化し続けている点が紹介されました。
最後に今後の重点施策と計画を述べ、「今やるべきは、現場の課題解決と“考える時間”の創出。高速で試し、改善し続ける姿勢が未来をつくる」と語り、参加者の多くがその言葉に大きくうなずいていました。
続くセッションでは、Team Success Platform統括本部(以下、TSP)を率いる統括本部長の白須さんが登壇。
ミッド・スモール企業領域を中心に、「いかにお客さまの期待を超え、長く使っていただけるか」という視点から戦略が語られました。
まず触れられたのは、TeamSpiritの事業ミッションです。新規顧客の獲得と、既存顧客の維持を両立させるこの領域では、価格競争の中でも確実に選ばれるための差別化が欠かせません。その鍵となるのが、マルチプロダクト戦略です。
勤怠管理にとどまらず、安否確認やタレントマネジメントなどの新製品を展開し、お客さまの利用価値を増やしていく。その基盤としてTeamSpiritが果たす役割は大きく、「粘着性」の高いサービス提供を目指す姿勢が何度も強調されました。
また、顧客の声を拾い、迅速にプロダクトへフィードバックする体制づくりも注目ポイントです。さらに、組織全体が一体となって顧客価値に向き合う体制を構築することなど、具体的な施策が打ち出されました。リアルなコミュニケーションの場の確保やチームリーダー・ユニットリーダーたちとの戦略共有など、社内連携の強化も力強く発信。
「我々の本質的な価値は、単なる機能ではなく“期待を上回る提案”にある」と語り、プロダクト主導ではなく顧客主導の開発姿勢を強調。TSPが目指す姿は、企業規模に関係なく、誰もが“続けたくなる”サービスの実現にほかなりません。
白須さんの熱のこもったプレゼンに、社員一同、真剣に耳を傾けていました。
次に、道下さん、原さん、白須さんの3名によるパネルディスカッションを実施。大きな組織変更があり、その変化の中で、何を維持し、何を変えるべきかについて率直な議論が交わされました。
組織変更に伴う課題として、共通業務の整理や役割の明確化、各本部間のコミュニケーション不足が挙げられました。今後は部門間対話の機会を増やし、連携を生む運営体制を強化していく方針が確認されました。また、変更の意図は「プロダクト単位の整理」ではなく、「お客様や市場にとって最適な組織体制」への転換であるという点も強調されました。
加えて、開発・営業・カスタマーサクセスなどの共通資産(ナレッジや導入メソッド等)を共有し、Salesforce基盤を活用することで、よりスムーズな連携を目指す動きも紹介されました。
最後に、長期目標や戦略の可視化についても話題となり、マルチプロダクト戦略の進捗公開や、現場の声を反映した経営との接続が今後の鍵になるとの意見が共有されました。
休憩をはさみ、プロフェッショナルサービス(PS)本部の廣山本部長が登壇しました。PS本部は新たに独立組織として発足しており、その背景を説明。PS本部のミッションとして、「既存顧客への対応と導入プロジェクト管理を一元化し、よりスムーズかつ高品質な導入支援を実現する」ことを強調しました。
PS本部の注力テーマは大きく3つ。1つ目は、「粘着性の高い導入支援」。導入初期段階から顧客の業務に深く入り込み、定着化を見据えた価値提供を行います。2つ目は、「エンタープライズ導入支援体制の構築」です。大規模顧客に求められる複雑な要件や個社対応ニーズに応えるべく、専門性の高い支援体制の整備を進めています。そして3つ目が「マルチプロダクト導入支援の立ち上げ」です。新規プロダクトの増加に伴い、導入体験の統一と価値訴求を強化するための横断的支援体制の整備に取り組んでいます。
さらに、導入方針についても大きな転換点を迎えています。これまで重視していた「Fit to Standard(標準機能への適合)」から、顧客ごとの業務特性を踏まえた「Fit and Gap(標準とのギャップ分析)」へのシフトを進め、より柔軟かつ実務にフィットした導入支援を実現していく方針が語られました。
プロダクトオペレーション(PO)本部からは、手島本部長が登壇。PO本部は、カスタマーサポート部門の一部を統合し、開発関連のオペレーション機能と共に、顧客対応の最前線と開発現場を結ぶ役割を担っています。ミッションとして、「サポートと開発の連携強化によって、より本質的な顧客課題の解決とプロダクトの進化を加速させる」ことを挙げました。
カスタマーサポート部門における効率性と品質の両立という課題に対し、Salesforceの「Einstein for Service」の導入を決定。AIの導入により、より本質的な顧客課題への対応時間を創出することを目指します。また、単に顧客の声を受けるだけでなく、「顧客の本当の困りごとを見極め、それをプロダクト改善へつなげる」という、プロダクトとお客さまをつなぐ架け橋としての機能を強調しました。
「Einstein for Service」の活用に、社員の皆さんの表情にも期待感があふれます。
最後に、「AIは便利だが、お客さまの気持ちまでは理解できない。だからこそ、人による“伝える力”とAIの融合がこれからの鍵になる」と述べ、将来的には「問い合わせがゼロになる世界」を本気で目指していく姿勢を示しました。
最後の部門セッションとして、コーポレート統括本部から執行役員CFOの高橋さんが登壇しました。
コーポレート統括本部は、M&A推進・人事制度改革・従業員コミュニケーションの改善という3つの重点領域に取り組んでいます。これらの施策は会社の成長につながるもので、単なる「管理」ではなく「成長を支え、時にリードするコーポレート組織」を目指すことを明らかにしました。
さらに、従業員に対する情報やメッセージの伝達方法を改善し、従業員満足度の向上とパフォーマンス改善につなげる取り組みを開始すること、また人事制度改革を通じて、組織の活力を引き出すための仕組みづくりを進める方向性が示されました。
高橋さんからは、「利益はお客さまサービスの手段であり、すべての起点をお客さまに置くべき」と強調。SaaS業界における変化の激しさを踏まえ、「利益はさらなる価値創造とその提供を実現するための再投資資源であり、健全な経営基盤こそが顧客期待に応え続ける力になる」と語りました。
締めくくりとして、事前に社員の皆さんから募集した経営陣へのQ&Aセッションが設けられました。
経営戦略の方向性や今後求められるスキルセット、人事制度やプロダクト開発に関するものまで、幅広いテーマについて質問が寄せられました。経営陣は一つひとつの問いに対し、率直かつ丁寧に回答。
事業成長と社員の働きやすさを両立させるために、制度設計や運用面での工夫を重ねていく姿勢が示されました。また、AIの活用や自社サービスの内製強化といった将来の取り組みに向けたビジョンも共有され、参加者の関心を集めました。
社員からの多様な声を真摯に受け止めるこの姿勢は、経営と現場との対話を通じて、組織としての一体感をさらに高めていく第一歩となりました。
スペシャルコンテンツとして、最後にチームスピリットが東京ヴェルディ フラッグフットボールチームとスポンサーシップ契約を締結したことが発表されました。
フラッグフットボールは2028年のロサンゼルス五輪での正式種目として採用が決定しており、東京ヴェルディフラッグには多くの国内トップレベル選手が所属しています。
道下さんから、なぜフラッグフットボールなのか、なぜ東京ヴェルディフラッグのスポンサーなのかの説明があり、その後、チームを運営する山邉代表と女子チームのトップ選手である近江佑璃夏(おうみ ゆりか)選手が来場してくれました。
近江佑璃夏選手からは、フラッグフットボールの魅力や自身のプロフィール、活動状況について発表がありました。トップアスリートからの力強いメッセージに、会場からは盛大な拍手がありました。
近江佑璃夏選手と道下さんとの対談インタビューを後日掲載予定です!
・役員が直接話すことで、自分事として経営に関わっている意識が芽生えて良かった。
・前回よりも全体的に説明が具体的で、各本部長の思いがのっていたので納得感があった。
・お客さまの属性で提供すべきものが変わるので組織をそれに合わせるべき、という点に共感・納得しました。
・労働人口の不足や目まぐるしく変わる情勢の中で、今どのような課題があって、当社はどのように対応していくべきかが分かりやすかったです。
・Q&Aセッションでは率直に回答いただいていたのが「Open the Door」の精神が感じられてよかったです。
・特にCEOプレゼン、Team Success Platform統括本部、コーポレート統括本部プレゼンは戦略において、チームスピリットの現在地、とりまく環境・リソース、目指すべきゴール、課題に対する打ち手において網羅され、分かりやすい説明がされていたため、理解しやすく印象に残った。
・変化を求めて挑戦し続けるTeamSpiritが、スポンサーとして、日本ではまだまだマイナースポーツであるフラッグフットボールを応援していく点に感銘を受けた。
・複雑な内容を明確・簡潔に示していただき、とても感謝しています。今後もオープンな議論・意見交換の場を設けていただければと思います。
今後もAll TeamSpiritは定期的に開催を続けていき、よりお客さまや市場に支持される未来に向けて全社員一丸となって邁進してまいります。
チームスピリットの事業年度は9月から始まります。 2024年度が間もなく終了し、新たに始まる2025年度に向けて、全社ミーティング「All TeamSpirit」が7月23日に開催されました。
2025年1月20日、チームスピリットユーザーの皆さまからの熱いご要望にお応えし、約120名のユーザーをお招きして大規模な東京ユーザー会を開催いたしました!
約5年ぶりに開催された東京でのユーザー会に続き、関西ユーザー会を2024年10月18日に開催しました。