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My Library わたしの本棚 ー 月10冊以上を読破する読書家おススメの本とは?

My Library わたしの本棚 ー 月10冊以上を読破する読書家おススメの本とは?

活字離れが叫ばれて久しい昨今。映画や音楽すらもどんどん短い尺のものが好まれ、「タイパ」が重視されている現代ですが、読書には短期的な「タイパ」だけでは得られない、深い価値があります。

読書は個人の思想や関心を映す鏡であり、本棚を紹介することはその人の一部を共有することと言えるかもしれません。
社内の中でも読書家として名高い皆さんは、日頃どんな本で学び影響を受けているのか。
ご自身の本棚とおススメの書籍をご紹介してもらいます!

記念すべき第1回目は、月に平均10冊は本を読むという倉谷さんに本棚をご紹介していただきました。

倉谷 彰 さん}

倉谷 彰 さん

プロダクトオペレーション本部 サービス基盤ユニット ユニットリーダー 兼 新規事業開発推進室 製品ユニット  ユニットリーダー

ビジネス本をメインに毎月10冊以上読破! 耳からでも「読書」はできる

ほぼ、ビジネス書しか読んでいないですね。
社会人から読書をするようになったので、学生の時にはあまり読んでいなかったように思います。

「読書」と言いつつですが、実は散歩しながらiPhoneの読み上げ機能で電子書籍を読み上げてもらい、耳で聞くことが多いです。朝の散歩の時や、運動がてら昼食に出た時など、1日にトータル30分から1時間ほど聞いています。特に、ビジネス本は会話も図もそんなにないので、音で聞くのに適しています。ぜひ試してみてください。

ただ、技術書はソースコードや図が多いので、読まないとダメですね。小説なども会話が出てくるので、iPhoneの読み上げ機能は適さないです(笑)。  

倉谷さんの読書記録。毎月の読書量がすごい!

※取材時は12月半ば

■おススメのビジネス本

①トヨタのカタ 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン  
マイク・ローザ―(著)、稲垣公夫(翻訳)​

いわゆる「トヨタ本」は多くの本が出版されているのですが、この本は改善をどうやって実践していくのかについて書いてあります。その徹底ぶりがとにかくすごい。
ただ「カタ」を守るだけではなく、チームリーダーや上司が部下に教える仕組みまで整備されています。

品質管理やスクラム、プロジェクトマネジメント(PM)といった手法の源流としてトヨタの考え方が位置づけられるものが多くあるので、原点に立ち返るような学びが得られました。

また、ターゲット状態という将来的に実現したい理想の状態をゴールとして何を行うべきかを考える姿勢には、OKR(Objectives and Key Results)の原点ともいえる考え方が反映されていると感じました。たとえば、ターゲット状態を「不良ゼロ」という究極の理想としています。このように究極の理想を追求する姿勢が、トヨタの独自性と強みを示していると思います。トヨタの考え方の奥深さと、その実践方法の体系的な構造を再認識することができました。

②ザ・ゴール - 企業の究極の目的とは何か
エリヤフ・ゴールドラット(著)、三本木亮(翻訳)

本書は、製造業におけるラインの効率化をテーマに、ボトルネックを特定し改善する方法論について解説しています。この考え方を提唱したエリヤフ・ゴールドラット自身が書いたもので、製造業だけでなく、セールス、マーケティングやプロジェクト管理にも応用できるシリーズの最初の一冊です。

物語形式のビジネス小説として書かれているので、堅苦しさがなく、とても読みやすいです。業務の効率を上げていくための制約理論が素晴らしいので、すべてのビジネスパーソンに読んでほしいですね。

また、トヨタの生産方式ともつながりがあり、ボトルネックを解消するために、ロットを小さくする方向へ進む考え方が共通しています。この制約理論は製造業だけでなく、スクラムによる開発にも通じるところがあり、フロー効率性にはこだわらず、お客さまに価値ある製品を素早く提供するスループット効率性の向上に注力するところが似ています。

自社の開発チームでもボトルネックを意識し、効率的な進め方を考える上で非常に参考になる内容でした。

電子書籍の本棚にはビジネス書がずらりと並ぶ

■ビジネス以外でおススメの本

①サピエンス全史
ユヴァル・ノア・ハラリ(著)、柴田裕之(翻訳) ​

本書は、ホモ・サピエンスがどのように生き残り、他のホモ属の種を凌駕してきたのかを探る内容になっています。いくつかの人類種が存在する中で、ホモ・サピエンスが最後まで生き残った理由として、「認知革命」による架空の概念を創造する能力が挙げられていて、この能力が信仰や貨幣といった社会的な枠組みを生み出し、人類の繁栄を支える基盤となったと書いています。

また、農業革命を経たことで人類は定住生活に入りましたが、狩猟採集生活よりも余暇が減少し、労働や階級社会が生まれたことで「本当に幸せなのか」と考えさせられる一面もありました。

過去だけでなく、これからの人類がどこに向かうのかという未来への問いかけも含んでいて、大変興味深い本ですね。

2024年の東京都知事選で筆者の安野氏を知り、読んでみた本です。

この小説は、AIをテーマにした起業物語で、AIが協調しながらベンチャー企業を成長させていく姿が描かれています。特に、プロダクトとしての「ゼロ次面接」やAIの使い方の発想がユニークで興味を引かれました。

AIを集めてひとつの「部隊」を作ると、なぜかその集団がより賢くなるという設定が面白く、それを活用してAIだけのバーチャル企業を作り、企業経営の分析まで行える仕組みが展開されます。現実とフィクションが交差していて、AIの未来への可能性や実用性を考えさせられる内容で、とても面白かったです。

たまに漫画も読むのですが、叔父と兄が建築士で家系的に建築関係に縁があり、その影響で職業系の漫画が好きです。

この漫画も『一級建築士』『1級建築施工管理技士』資格を実際に持っている方が描いていて、簡単な会話からどんな家の間取りなのか推測したり、マンションの構造の話が出てきたり、プロフェッショナルな内容が非常に面白いです。

■気になっている本、これから読みたいと思っている本があれば教えてください

マルチテナントSaaSアーキテクチャの構築  
Tod Golding(著)、河原哲也(翻訳)、櫻谷広人(翻訳)

2025年1月17日発売の本です。これからやらないといけない領域なので、発売されたら読みたいと思います。(取材時は未発売)

その他に、リベラルアーツにも興味があります。AIに仕事を奪われないために、人間力を鍛える必要があるのではないかと思っています。

倉谷さん、ありがとうございました!

忙しい日々の中でも、少しだけ時間を取って本を開いてみてはいかがでしょうか。その先には、新たな発見と喜びが待っているはず!

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