【CFO解説】2026年8月期第2四半期決算のポイントとは?
チムスピParkでは、今期(2026年8月期)から、高橋CFOによる四半期ごとの解説記事をスタートしています。決算のポイントにフォーカスして、財務や会計の専門知識にも馴染みがない方にもわかりやすい解説をお届けします。ぜひご一読ください!
チムスピParkでは、今期(2026年8月期)から、高橋CFOによる四半期ごとの解説記事をスタートしています。決算のポイントにフォーカスして、財務や会計の専門知識にも馴染みがない方にもわかりやすい解説をお届けします。ぜひご一読ください!
チームスピリットでは、年に4回、四半期ごとに決算情報を開示しています。今回は、2026年8月期の第3四半期決算を発表し、同日に主要な機関投資家や証券アナリスト等を対象とした、決算説明会を実施しました。
執行役員CFO コーポレート統括本部 統括本部長
同説明会では、道下CEOからエグゼクティブサマリーとビジネスの状況を、そして私からは財務実績の概要と財務戦略等についてアップデートをお話ししました。
引用元: YouTube
今回のQ3決算の最大のハイライトは、「Q3単独(3ヶ月間)での営業利益額が、約2億円となって過去最高額を更新した」点にあります。
以下、
1) Q3業績の概要
2) ビジネスの状況のアップデート
3) 財務戦略等についてのアップデート
の順に、主要なポイントをお伝えしていきます。
Q3の業績は、単独(3か月間)と累計(9か月間)の両方の視点から確認いただく必要があります。
◆売上の推移
Q3単独売上は15億円超で、Q2に引き続き前会計年度との同期比(昨対)では+25%超の増収となりました。売上の伸長ペースは引き続き望ましい水準で推移しています。Q1・Q2分を合わせたQ3累計売上は約44億円で、こちらも昨対+24%超の伸長ペースです。
◆売上構成の状況
当社の売上は、お客さまから継続的にいただく「ライセンス売上」と、導入支援などの「プロフェッショナルサービス売上」の二つで構成されています。
・Q3単独ライセンス売上(昨対+15%超): 昨年Q3以降に積み上げてきたエンタープライズ領域のARRの伸長が牽引しており、今期はこのペースが一貫して15%以上になっている点が特に望ましい状況です。
・Q3単独プロフェッショナルサービス売上(昨対+75%程度): エンタープライズ領域における大規模な導入プロジェクトが複数並行して稼働していることが大きく寄与しました(昨年通期ベースは+8%)。
売上拡大を受けて、営業利益はQ3単独で前年同期比約1.5倍、Q3累計でも1.6倍に拡大しました。
ここで注目すべきは「利益率の改善」です。Q2の解説でも触れた通り、シンガポールオフィスの縮小による費用削減効果(いわば「ゲタ」ともいえる構造的な差異)が、ちょうど一巡し外れています。
本来、こうしたプラス要因がなくなると利益率は下がりやすいものですが、当社の場合はQ1からQ2、さらにQ2からQ3にかけても順調に改善を続けています。
要因としては、売上拡大が順調に進んでいることによって利益が増加しているためです。具体的には、Q3累計での営業利益は4.3億円を超える水準となり、昨年の通期ベース(12か月)の利益額(約2.7億円)との対比でも、Q3時点で既にその1.6倍へと伸長しています。
売上拡大が順調に進んでいることによって、利益が大きく増加しています。具体的には、Q3累計での営業利益は4.3億円を超える水準となり、昨年の通期ベース(12か月)の利益額(約2.7億円)との対比でも、Q3時点で既にその1.6倍へと伸長しています。
なお、この営業利益額は通期業績予想額の100%に相当する額であり、本来であれば、このタイミングで業績予想の上方修正を発表すべきところです。
しかし、足元で始まったSalesforce社のセキュリティ強化策の強制適用も受けて、以下の2点から通期業績予想値をいったん据え置く意思決定をしました。
1. 同強制適用を受けたことによる追加検証等が必要になり、案件獲得タイミングが遅れる(期ズレ)傾向が見られたため、Q3のARR純増額の伸長ペースがQ1を少し上回る限定的な規模にとどまったこと
2. 同強制適用に対応するためのユーザー支援機能の開発投資など、Q4で来期以降の継続した売上・利益の拡大を目指した投資等に注力すること
株式市場に対する約束はきちんと果たした中で、短期的に想定よりも営業利益を上振れさせるより、セキュリティ対応策を受けたユーザー支援機能を強化すること等で、未来に向けたプロダクト競争力の向上に注力しよう、という意思決定でした。
ビジネスの状況については、大きく3つのアップデートがありました。
1. ユーザー層の拡大:引き続きエンタープライズを中心とした大型顧客の拡大が続いており、この四半期では、新たに日鉄ソリューションズ株式会社さまや、奈良先端科学技術大学院大学さまからロゴ掲載の許可をいただきました。
2. 「TeamSpirit ONE 2026」の開催:コロナ禍以降初となる当社主催となる自社カンファレンスを開催し、お客さま向けのアワードである「TeamSpirit of the Year 2026」を発表しました。
3.「TeamSpirit AIシフトエージェント」をリリース:労働基準法改正による法的制約の強化を見据え、AIを活用した新プロダクトをリリースしました。
いずれも誇らしい取り組みであり、ぜひこの勢いをそのまま継続できればと思っています。
最後に、財務戦略とIR活動の状況についてです。Q3は比較的コンパクトなアップデートとなりました。
まず、8月末のポイント制株主優待の実施状況など、株主還元の進捗を報告しました。また、Q2に続き当社のキャピタル・アローケーション(キャッシュの使い道の優先度)について整理したページを示し、次回の通期決算に向けて当社の株主還元のあり方について議論を重ねている点を伝えました。
IR(投資家向け広報)の取り組みとしては、今回のQ3決算を踏まえた個人投資家向け説明会を7/22(水)18:30より開催予定であることをお知らせしています。
以上が、今回のQ3決算の概要です。それぞれの内容について、より深く知りたい方は、ぜひ当社IRページで公開している決算説明動画も併せてご覧ください。
以上の決算発表を受け、決算発表日翌日の株価は▲13円安い392円(▲3.2%)となりましたが、翌月曜日の株価は4円戻し(+1.0%)て、396円となり、以降は概ね同程度で推移しています。昨年度はQ3決算発表で、業績予想の上方修正を行いストップ高となったことと比較すると、残念ながら対照的な結果となりました。
「SaaSの死」を巡る市場の議論も含めて、今は辛抱の局面だと認識しています。しかし、外部環境が好転するタイミングは必ず訪れると考えており、その際に「評価を見直すべきトップ銘柄」として選ばれるよう、安定した売上・利益の拡大に継続して取り組みたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
チムスピParkでは、今期(2026年8月期)から、高橋CFOによる四半期ごとの解説記事をスタートしています。決算のポイントにフォーカスして、財務や会計の専門知識にも馴染みがない方にもわかりやすい解説をお届けします。ぜひご一読ください!
チムスピParkでは、今期(2026年8月期)から、高橋CFOによる四半期ごとの決算発表の解説記事の連載をスタートします。本企画では決算のポイントにフォーカスして、財務や会計の専門知識に馴染みがない方にも分かりやすい解説記事としてお届けします。
ファイナンスやIRの領域は専門性が高く、一般の社員にはどのような活動をしているのか実態が見えづらいもの。