
モノづくり最前線 ファイル一括ダウンロード編 お客さまの要望から生まれた経理担当者向けの便利機能
クラウド型SaaSの勤怠管理や経費精算、工数管理などのバックオフィス業務のDXソリューション「チームスピリット」は、2012年4月にサービスを提供開始されました。 そこから現在に至るまで、チームスピリットはさまざまな機能開発や法令改正に合わせたアップデートをしつづけ、常に進化しています。
クラウド型SaaSの勤怠管理ソリューション「TeamSpirit」は、2012年4月に提供開始されました。そこから現在に至るまで、TeamSpiritはさまざまな機能開発や法令改正に合わせたアップデートをしつづけ、常に進化しています。
モノづくりの最前線に立つ開発部門は、どうやって機能開発の優先度をつけているのか?何を重視しているのか?その思考や工夫の裏側に迫ります。
今回は、工数を一括で登録することができる便利ツールの開発者、進藤さんにお話を伺いました。
Team Success Platform事業統括本部 製品開発本部 プロダクトエンジニアリング部 工数管理ユニット ユニットリーダー
― 「工数一括登録」ウィジェットを開発するきっかけや背景を教えてください
結論からぶっちゃけて言うと、「工数の入力ってめんどくさいですよね」ということなんですね。例えば塾の講師の方やシフトが決まっている業務をされている方などは、ある程度未来の予定が決まった働き方が多いんです。そうすると、同じ入力を毎日しなければいけないという課題がありました。
もちろん、100%すべての工数が確定している方はあまりいないかもしれませんが、ある程度業務が固定化されている方はいるので、そういった方々向けに、少しでも工数入力の負担を軽くしたり、勤怠と工数をセットで活用することで働き方を効率化したりできればと思い開発しました。
― 企画段階で一番重視したポイントは何でしたか?
このウィジェットが、すべてのユーザーにとって何らかの有用性を持たせることを重視しました。
例えば、ホーム画面にコンポーネントを置く際に、その配置は組織内で管理されるので、ユーザーごとに位置を変えるというのは非常に手間がかかります。そのため、初期状態のウィジェットは勤怠と工数未入力の一覧を表示することによって、誰にとっても意味があるものにしました。
その他工夫した点としては、勤務体系によって工数を一括登録できるかどうかを選択でき、「一括登録」ボタンから登録ができるようになっています。本来使うべきではない人が適当に登録してしまうことを防ぐための制御です。
また、「工数一括登録」ウィジェットを、将来的にもっと違うものを開発する際の部品とする構想があります。勤怠設定ナビの記事の最後に少しコメントしていますが、タイムレポートの1つの機能になるようにウィジェットとして開発しているので、お客さまが自社のベストなタイムレポートを組めるように、この機能単体でもきちんと使えるように気を付けました。
ちなみに、勤怠と工数が全部入力されるとグッドの表示が出てくるんですよ。今回もほっこりポイントを入れました(笑)。
― 開発中に苦労した点や、予想外だったエピソードなどはありますか?
既存機能との兼ね合いであったり、さまざまな設定との整合性を取ったりする部分は毎回苦労していますね。
特に、Salesforce基盤で開発する上で「一括処理」というのは本当に鬼門です(笑)。ガバナ制限※があるので、負担がかかるような処理を行うと処理が強制終了させられてしまうんです。ガバナ制限には本当に毎回苦労していますね。
また、「一括処理」はユーザーからするとコワイ処理だと思います。例えば、入力ミスで1ヶ月分を手で修正、というのは想像するだけで手間ですよね。
今回特に苦労して工夫した点としては、いろいろと悩んだ結果、処理実行中にダイアログが動いて進捗状況をわかりやすく表示したことと、一時停止・再開機能を実装して、不安感を少しでも和らげるようなUIとしました。
※ガバナ制限:クラウドサービスやアプリ開発環境で処理の使いすぎを防ぐための上限ルールです。特定のユーザーや処理がリソースを独占しないように、呼び出し回数・時間・データ量などに制限を設けています。
― これはやってよかった!といった工夫はありますか?
そうですね、仕様をあえて単純にしたことでしょうか。
実は、「工数一括登録」ウィジェットは、一部の工数のオプション設定を無視する処理パターンがあります。これは、あえてその設定に従わない方がユーザーにとってメリットが多いためです。
開発当初はオプションの組み合わせによって複雑な動作パターンを検討していたのですが、いろいろ悩んで思いきってあえてすべて止めました。プロダクトマネージャーの奈良さんのリーダーシップで複雑な動作はなしにして、ユーザー目線でもわかりやすいシンプルな動作にしました。
引用元: YouTube
― リリースしてから、何か反響はありましたか?
ユーザー会があった際にこの機能を紹介したら、「こんな便利な機能があったのか!」といった声がありました。逆にいうと、皆さんへのアピール不足でもあるので反省もしました(苦笑)。
社内からも高評価で、TeamSpirit Enterpriseでもこの機能が欲しいという声が聞かれたのは印象的でしたね。
― 今後、「工数一括登録」ウィジェットはどんなアップデートがされていく予定ですか?
「工数一括登録」ウィジェットに限った話だと、時間固定で一括登録したいという要望をいただいています。開発中にこの話は出てはいたのですが、いろいろと考慮事項が増えてしまうので、いったんシンプルに割合での登録のみでリリースとしました。
リリースしたことによって、要望という形で具体的なユースケースを伺うこともできたので、Spring’25※で追加された工数の開始・終了時刻入力機能と合わせて、一括登録ウィジェットで扱えるようにしたいなと考えています。
※Spring’25…TeamSpiritの開発リリースのスケジュール。Summer、Winterの年3回ある。
少し俯瞰して考えると、冒頭お伝えしたとおり「工数入力はめんどくさい」というのは長年の課題です。工数一括登録ウィジェットで、「めんどくさい」部分に対して一定の価値を提供できたとは思っています。ただ、工数をただ簡単に入力できればそれでいいのか?というと、話はそう単純ではないと思っています。
限られた開発リソースを(1)入力の容易さ、(2)工数の活用(工数を入力することの価値を向上させる)に分配しつつ、今後も工数機能を発展させ続けて行きたいと思います。
すこし話は変わりますが、先程、ユーザー会でこの機能があまり知られていなかったことをお話ししましたが、今後は開発者もこういった記事のような形で思いを伝えたり、イベントに参加して、利用者の皆さんと接点を持つ機会を増やしていこうと思います。
― 進藤さん、ありがとうございました!
クラウド型SaaSの勤怠管理や経費精算、工数管理などのバックオフィス業務のDXソリューション「チームスピリット」は、2012年4月にサービスを提供開始されました。 そこから現在に至るまで、チームスピリットはさまざまな機能開発や法令改正に合わせたアップデートをしつづけ、常に進化しています。
クラウド型SaaSの勤怠管理ソリューション「チームスピリット」は、2012年4月に提供開始されました。そこから現在に至るまで、「チームスピリット」はさまざまな機能開発や法令改正に合わせたアップデートをしつづけ、常に進化しています。 モノづくりの最前線に立つ開発部門は、どうやって機能開発の優先度をつけているのか?何を重視しているのか?その思考や工夫の裏側に迫ります。
クラウド型SaaSの勤怠管理ソリューション「チームスピリット」は、2012年4月に提供開始されました。そこから現在に至るまで、「チームスピリット」はさまざまな機能開発や法令改正に合わせたアップデートをしつづけ、常に進化しています。 モノづくりの最前線に立つ開発部門の中でPM(プロダクトマネージャー)は、どうやって機能開発の優先度をつけているのか?何を重視しているのか?その思考や工夫の裏側に迫ります。