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チームスピリットの原点と未来へ ‐ 創業者 荻島浩司からのメッセージ ‐

チームスピリットの原点と未来へ ‐ 創業者 荻島浩司からのメッセージ ‐

2023年10月初旬、1996年の創業からチームスピリットを牽引してきた荻島浩司さんのCEO退任が全社員に向けて発表されました。チームスピリットにとって大きな転換期に際し、創業者である荻島さんの「スピリット」を引き継ぎ、会社がこれからも成長をしていくために、チームスピリットの由来や未来への想い、そしてメンバーへのメッセージをお聞きしました。
※本インタビューは2023年10月中旬に実施したものです。

コミュニケーションし、リスペクトしあう発想からつけたネーミング

― まず始めにチームスピリットの由来を教えていただけますか?


チームスピリットはいくつかあった案の中から、製品名として名付けたのが最初です。その当時の社名はチームスピリットではなく、半導体企業が集まったシリコンバレーのように、いろんな企業が集まった勢いのある地域のイメージで「デジタルコースト」​とつけていました。

「デジタルコースト」は当初私ひとりの会社でしたが、今後たくさんのパートナーさんやアライアンスを組んでプロダクトをつくっていこうと考え、人を採用していくことにしました。人を雇用していくと会社として勤怠管理が必要になります。ところが2009年、2010年の頃はダサい勤怠システムしかなかったんですね(笑)。ちょうど同じ頃にTwitter(現X) が登場して、同じようにUIが優れたグラフィカルな製品がつくれないかと自分たちで開発をしたのですが、それが「アッと@勤怠」という勤怠管理のプロダクト​です。
※詳しくは著書「サブスクリプションシフト  DX時代の最強のビジネス戦略 」をご参照ください。
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798162669





勤怠管理の機能だけではもったいないので、経費精算や工数管理をつけることにしたのですが、当時は機能別に名前をつけるのが一般的でした。しかしそれでは当たり前すぎて面白味がないので、機能全体をトータルで表現できる名前がいいなと思ったんです。そこでフロントウェアの提供を考えたときに「チームスピリット」が浮かんだわけです。



― 他にもいくつか製品名の案があったとおっしゃっていましたが、どのような発想から「チームスピリット」が浮かんだのでしょうか


他には「フィフスディメンション(五次元)」などいろいろ考えました。検索サービスのグーグルが、一般ユーザーが使えて情報を集めるだけではなく、さらに違うサービスに発展していくという発想が非常に面白いと思い参考にしました。

私の考えるフロントウェアも同じように情報がただ入っているだけのものではなく、働く人のためのシステム・仕組みであると考えていました。その時に「チーム」という言葉が思い浮かんだのです。人が集まっただけでは烏合の衆で「チーム」とは言いません。たくさんの人がコミュニケーションしリスペクトしあって、ひとつの目標に向かっていくことを「チーム」といいます。そこから浮かんだ言葉が「チームスピリット」です。




― その連想から「チームスピリット」が浮かぶ発想力がすごいですね!


日頃から世の中のかっこいい名前とそうではない名前の何が違うのかはよく考えていて、勤怠管理だったら例えば「勤○○~」が分かりやすいと思いますが、自分だったら買わないだろうなと(笑)。
「チームスピリット」はそれだけで聞くと何のシステムかよくわからないのですが、「何だろう」という引っかかりをつくる言葉のセンスを大事にして名付けました。社名にしたのは2012年ですね。受託事業はやめてSaaS一筋でやっていくぞ、という覚悟の表明でもありました。

退任セレモニー

2023年11月27日、オフィスで行われた退任セレモニーで社員に挨拶をする荻島さん

使う人が創造的な仕事に関われる製品であってほしい

― これから「チームスピリット」がどう進化して、どう世の中に影響を与えていってほしいと思いますか?


働き方の「品質」を高める製品であってほしいと思います。1つの基準として、例えば長さを測る単位はセンチメートルやメートルだったりしますが、働くことの基準は「時間」です。

Aさん・Bさんの仕事をストップウォッチで測って、何をどれだけやっているのかを見る、テイラーの「科学的管理法」という生産性の改善手法を狭義の「タイムマネジメント」だと考えている人がいますが、そうではありません。営業が1日8時間の業務時間をすべてお客さまに会う時間に費やしたら売り上げが上がるのかというと必ずしもそうではなく、顧客に分かりやすく説明するための資料をつくるといった間接的な時間があるからこそ営業効率が高まっていくのです。私が営業をしていた時代には、まだパソコンを十分に使える人が少なかったので、私がイラストや図を使った資料をつくって説明にいくと「分かりやすい」と言っていただくことも多く、営業成績は良かったんですよ(笑)。

「タイムマネジメント」というと、売り上げを生む直接的な仕事に目がいきがちなのですが、直接的な時間をよりよくするのに大切なのは間接的な時間です。無駄なことをさせないための管理ツールではなく、「チームスピリット」を利用するみなさんが創造的な仕事に関われるような製品であってほしいと思います。
もっと言えば、1日24時間をどう過ごすのか、家族といる時間も含めて生きていることの「タイムマネジメント」に活用してほしいなと思います。


― 荻島さんのように会社経営が仕事ですと、業務時間という概念がなさそうですね


それは本当にそうです。経営者になると生きている時間の「タイムマネジメント」​が非常に重要です。
「1万時間の法則」というのがあって、何でもひとつのことを1万時間やりきると、ある程度センスは身につくそうです。社会人になりたての人は、そういった下積み的な目の前の仕事だけに集中するのは理解できますが、経営者になったら直接的なことはほぼやらない。無駄って言われちゃう。自分で「この時期にはこうなっていないといけない」という適切なセルフマネジメント​が必要です。
今はAI技術が発達していますが、AIもあくまでツールなので意図することや創造性の部分は人間にしかできないことです。ですから、みなさんには「チームスピリット」を活用して、創造的な仕事をする側になっていただきたいんですね。従業員のみなさんが創造的な仕事をするために、経営者は物事の取捨選択を決断する勇気を持たないといけないと思ってやってきました。


― 経営者の重責はわれわれ社員の想像を超えるものがあります


私は「先憂後楽」で、常にいろんなことを心配していて全然楽にならない(笑)。
最近少し気が楽になりましたけどね。自分が起業する時に大変だったので、これからは事業を起こす人の手助けをしていきたいと思っています。

新しい価値を生むために、理想を描け

― これまで本当にお疲れ様でした。最後に、チームスピリットで働くメンバーにメッセージをお願いします

私は人に指示を受けて動く仕事ができなかったので、自営をするしかなかったんですよね(笑)。でもみんながそうなる必要はない。私たちは世の中の「働く品質」をあげていく仕事をする、という目的を共通にするチームなので、そのチームの中でいろんな役割の人が必要です。
今日の資産はこれまで働いてくださった方々のおかげで、今いる人たちは明日の資産のために働いています。

一般的な会社というのは利益を上げないといけないので、そのためには従業員にめいっぱい働いてもらって売り上げをつくり、従業員の給料を抑えるしかないと考えます。そうではなくて、お金を稼ぐプロダクトをつくって、さらにそれを売るためのシステムをつくることを考えなくてはいけません。ロボットのように働くなら長時間の方がいいに決まっているけれど、みなさんにはお金を稼ぐ資産(価値)、売るためのシステム・仕組みをつくる資本側で働いていてほしいと思います。 新しい価値を生む資産の創出を目指してください。

それから、一人ひとりが自分の理想を設定してください。その理想と現状のギャップを埋めることを目標としてください。単に課題を探して解決をするということではなく、新しい価値を生むために、「理想を描く」ことに挑戦してほしいと思います。

これが、私のチームスピリットで働くみなさんへのメッセージです。

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